欧州:特許出願におけるカラーまたはグレースケール図面の提出が可能に
欧州特許庁(EPO)は2025年10月01日より、欧州特許出願が電子的に提出され、一定の要件を満たすことを条件に、カラーまたはグレースケールの図面を提出することを許可します。
国際出願(PCT)ではカラー図面が認められないため、提出したカラー図面は国際公開のために白黒に変換されますが、電子的に提出されたカラーまたはグレースケールの図面の原本はWIPO国際事務局により保管され、PATENTSCOPEによる利用が可能かどうか、国際公開公報の表紙に記載されています。
利用可能な要件を満たしている場合、2025年10月01日以降にPCT出願に基づく欧州広域段階への移行出願については、カラーまたはグレースケールの図面に基づいて処理されます。
なお、2025年10月01日より前に移行する場合は、白黒で公開された図面が採用されますが、出願人が指定官庁または選択官庁としてのEPOへカラーまたはグレースケールの図面を提出し、かつ上記の利用が可能であれば、当該図面を含むとみなされます。
今回の決定によりEPOの出願をより有利に進めることができますが、関連出願が複数国へわたる場合、出願人はカラー図面を認めない国を含め、審査へ向けて個別に対応することが求められます。また、今後は各国特許庁の動向にも注視していく必要があります。
出典: EPO