米国:AIによる意匠検索支援ツールを発表
米国特許商標庁(USPTO)は、初の人工知能(AI)ベースの画像検索ツール「DesignVision」を発表しました。
審査官は80以上の国際的な意匠データベースで先行技術を画像検索でき、先行技術を特定する速度と精度の向上に基づき、オフィスアクションの具体性と関連性の向上が期待されます。
現在、「DesignVision」は、USPTO内の審査官の利用に限られています。
出典: Cred IPR.LLC
米国特許商標庁(USPTO)は、初の人工知能(AI)ベースの画像検索ツール「DesignVision」を発表しました。
審査官は80以上の国際的な意匠データベースで先行技術を画像検索でき、先行技術を特定する速度と精度の向上に基づき、オフィスアクションの具体性と関連性の向上が期待されます。
現在、「DesignVision」は、USPTO内の審査官の利用に限られています。
出典: Cred IPR.LLC
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年08月06日付で海外の出願代行事務所に制裁を加え、関連する52,000件以上の商標出願及び登録を取り消しました。
前述の事務所は以下のような不正行為を行ったと判明しました。
・米国弁護士資格を有する代理人と協力して資格を不正に利用し、電子署名を偽造した。
・他人の氏名を使用し、書類に繰り返し署名した。
・偽造の使用証拠を提出した。
・USPTO.govのアカウントを不正に使用した。
USPTOは、これらの商標を商標登録簿から削除することにより、実際に商取引で使用されている商標のみが正確に反映されるよう努めています。
出典: 米国特許商標庁
延期されていた「2023年バミューダ商標法」が2025年08月01日に正式に施行されました。これにより新規出願は全て新法により処理されます。
新法では多区分指定が可能となると共に権利期間は10年毎に変更され、またサービスマーク、証明商標、団体商標、音や色を含む新しいタイプの商標が出願可能となり、商標の一部分について権利不要求することも可能となりました。
一方、以前のA登録、B登録の2つの登録簿は廃止され、これにより既存の商標も全て新しい統合登録簿に移行されます。
なお、出願人は商標を「使用中」あるいは「使用予定」のどちらかを宣言する必要があります。
尚、新商標法にはパリ条約に基づく優先権主張や国際登録の締約国として指定できる規定もありますが、それらの国際条約へ加盟後の運用となる見込みです。
出典: Lysght & Co.
2025年08月07日より、ブラジル特許商標庁(BPTO)は、特定の商標出願の審査期間を大幅に短縮することで商標審査の迅速化を図ることを目的として、商標ファストトラックの申請受理を開始しました。
[申請資格]
・60歳以上の個人
・重篤な疾患または障害を持つ個人
・Inova Simples(スタートアップやイノベーション企業を支援するために導入した簡易法人制度)モデルに登録された企業
・公共政策、訴訟、公的資金の受給、またはファストトラック審査対象となる特許に関連する商品やサービスに関する事案
・科学、技術、イノベーション機関(ICTs)
・公共の利益または国家の緊急事態に関わる案件
ファストトラック手続の申請には、場合によって手数料を支払う必要があります。また、要件を満たすことを証明する書類の提出が必須となります。
出典: Leao Intellectual Property
2025年07月11日、UAE(アラブ首長国連邦)とUSPTO(米国特許商標庁)は、特許付与加速(APG)協定に署名しました。このプログラムにより、USPTOから特許付与された対応米国出願を持つUAE特許出願人は、UAEで迅速な特許の承認を受けることができ、創案者のアイデアを迅速かつ確実に市場に投入できるようになります。
この締結によって、UAEと米国の特許庁間における知的財産分野の協力関係は強化され、特許出願手続きが効率化されます。
出典: OSHA
2025年07月10日より、米国特許商標庁(USPTO)は、特許出願の早期審査プログラムを廃止し、特許出願の早期審査の請求を受付しておりません。
この廃止により、審査労力が滞貨件数の削減に向けた取り組みに充当されます。
早期審査の請求件数は着実に減少しており、2014~2024年の各年度で毎年100件未満でした。
なお、意匠出願に対する早期審査プログラムは残りますが、請求の受付は一時停止されています。(2025/05/16弊社記事参照)
出典: USPTO
米国では、出願人が小規模資格(Small Entity)、極小規模資格(Micro Entity)の適用を受けると公費が減額されますが、米国特許商標庁(USPTO)は今般、特許制度の健全性を担保するため、虚偽の資格申請に対する罰則規定の適用を開始します。
同規定により、係属中の特許出願または特許に虚偽の資格申請が発覚した場合、その資格が誠意をもって申請されたことを証明しない限り、適切に支払われるべき金額の3倍以上の罰金を科されます。
USPTOは、虚偽の主張または証明書による公費の不当な減額があると判断した場合、納付不足の通知と、罰金を科されるべきでない理由の提示命令を発行します。当該通知及び命令に対する応答と、記録全体に基づき、罰則の適用可否及び罰金額の最終決定を通知します。
出典: USPTO
ブラジルの上院議会は2025年06月11日に、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」への加盟を承認しました。
ラテンアメリカにおいて国際寄託機関(International Depositary Authority:IDA)のある国は現在、メキシコとチリのみです。
2008年に着工されたブラジル生物材料センター(The Brazilian Biological Material Center:CBMB)の建設と実施は、WIPO基準に基づくIDAとしての運営の予定でしたが、未だ完成していません。
今回の加盟承認により、Fiocruz(ブラジルの国立機関であるオズワルドクルス財団)やEmbrapa(ブラジル農牧研究公社)のEmbrapa Genetic Resources & Biotechnology(CENARGEN)といった機関にはIDAの資格を得る道が開かれました。
出典: UNGRIA
ブラジルは、マドプロ規則第34規則(3)(a)による二部構成の個別手数料納付に関する通知を撤回して、2025年09月20日より、国際登録出願の個別手数料の納付方式を「二段階納付」から「一括納付」へ変更します。
[変更後の個別手数料]
国際商標登録出願、事後指定:251スイスフラン(区分毎)
更新:146スイスフラン(区分毎)
猶予期間内の更新:292スイスフラン(区分毎)
出典: WIPO
ブラジル特許商標庁は、商標の使用による識別性を認める規則(Ordinance No.15/2025)を制定し、2025年06月10日付の公報にて公布しました。新規則は2025年11月28日に発効します。
これまで識別力のない商標は審査において使用証拠や意見書は考慮されず拒絶されていましたが、新たな規則により以下1~5の過程において商標の使用による識別性について審査を求めることができます。
1.商標出願
2.公告日から60日以内
3.商標の識別力欠如による拒絶に対する審判請求
4.商標の識別力欠如に基づく異議申立に対する応答
5.商標の識別力欠如に基づく取消審判に対する応答
また、継続的且つ相当な商標の使用が3年以上あり、商品・サービスの出所を示す標識として広く消費者に認識されていることを示さなければなりません。現在係属中の商標出願の出願人や係争事件の商標権者にも発効日から12ヶ月のグレースピリオド期間に商標の使用による識別性を主張できる機会が設けられています。
出典: Ungria、DANIEL、TAVARES